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有田の時間

『泉山磁石場 』-日本磁器発祥の聖地-

2012年10月07日

有田観光協会 at 14:06  | Comments(0)
 左に『陶工の碑』、そして前方に『李参平発見之磁礦地』の石碑が目に留まるやいなや、『泉山磁石場』はもう既に前方より迫って来ます。

『泉山磁石場 』-日本磁器発祥の聖地-
               [磁礦地の石碑]

 ‘百聞は一見にしかず’との言葉を、もし有田で使うとしましたらば、私はこの場所でこそ最もふさわしい言葉じゃないかナ~と思います。

『泉山磁石場 』-日本磁器発祥の聖地-
                        [泉 山 磁 石 場]



 
  もしここが初めて目にされる光景だとしたら、おそらくかなりの衝撃があるんじゃないか、想像以上の壮観な景色にきっと皆さん驚かれるんじゃないかナと思います。
思わず「うわーっ」との声が、ココ『泉山磁石場』で響きあう‘合言葉’です・・(笑)。



  『李参平発見之磁礦地』の石碑にみるように、江戸時代初め、朝鮮人陶工の李参平(邦名・金ヶ江三兵衛)がこの磁石場を発見したことで、まさにココから400年にわたる有田焼の輝かしい歴史が始まりました。ここから発掘された石で焼かれた大皿が、大壷が、華やかな彩りを得て、遠く欧州の宮殿をも飾りました。またある時は将軍、大名へと、ある時は天皇、宮中へと、そして日本全国各地へと運ばれて行きました。
 すべてここから始まったんだ、あの山の、あのてっぺんの大岩は、その長い間の歴史の推移をズ~ッと見てきてたんだなァと考えたら、本当に不思議な感慨にとらわれます。 
 それにしても、よくぞ一つの山をここまで掘ったものだと本当に驚かされます。
回りの木々を含めたあの景観は、まさに書画によくみる山水そのものじゃないか・・・などと、時々私は思います。


  ところで、いったい李参平という人はどんな人!?どうして日本にやって来たの・・!?
彼は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に佐賀藩の鍋島直茂が日本へ連れ帰った朝鮮陶工一族の一人でした。焼きものに適した藩内の地を随分と探し回り、やっとのことで、この有田泉山の地を見つけたといいます。もし彼がこの時期にこの地を見つけていなかったとしたら、おそらく日本の焼き物の歴史は大きく変わったんじゃないかと思います。

『泉山磁石場 』-日本磁器発祥の聖地-
               [初代・野口勝山作 李参平像]

  
  この磁石場から右手の山を少し登ったところに『石場神社』があり、そこにあるのが、『李参平像』です。白衣をまとって静かに座している年を重ねたその老人の像は、いかにも陶祖の名にふさわしい静かな威厳をかもし出していて、「あヽ、李参平さんだ」と自然に思えてくるから不思議です。12~3分ほど時間にゆとりがあれば、磁石場と共にご覧頂たいスポットです。

『泉山磁石場 』-日本磁器発祥の聖地-
            [資料館へは、左の方から登ります。]

 
  また、この磁石場の東に隣接した場所に、『有田町歴史民俗資料館』があります。ここには、焼き物の歴史にまつわる様々な資料等が展示されています。登り窯の縮尺模型、名代札や窯の道具、発掘陶片の資料や古文書等、ご興味をお持ちの方はぜひご覧になることをお薦めいたします。入館料は大人100円、大高生50円、小中生30円です。HMはコチラ

  
  これほど歴史深い史跡ではありますが、この磁石場は有田の人にとって、残念ながら今はそれほど身近な場所とは云えなくなってきているように思います。より取扱いが容易な磁石が県外から入ってきているためでもありますが、まァそれはある程度やむ得ない事かもしれません。
 ただそれでも、ここ『泉山磁石場』が有田の源泉地であることに何ら変わりありません。いやそれにとどまらず、日本の磁器の発祥地であり故郷でもあるわけで、故にこそ「国の史跡」となってもいるわけです。

 
  ここ磁石場は岩石の崩落等もあるため、近寄ることは現在禁止されています。
ただ、昨年の「先人陶工感謝祭」でしたか、期日限定で発掘場所間近まで入るのを許可されたことがあり、私もヘルメットを被り近寄ったことがありますが、遠くに見えてた穴や崩落した岩が近づくと、その巨大さに本当に驚かされたものです。
 磁石の埋蔵量はまだかなりあるとも聞きますので、保存のみならず計画的な有効利用が出来たらとも思いますし、石場というものを間近に感じることが少なくなっている昨今だけに、貴重な観光史跡としての一層の活用を個人的には期待したいところです。

  昨年も現地で上映されていましたが、陶都青年会議所が製作された泉山磁石場のこの映像を観るたびに、往年の発掘に携わってた方たちの顔と顔が、その笑顔が何と輝いていることか・・・これを現在に繋げたいと、つくづく思いますネ。歴史民俗資料館の解説を頂いているのはコチラ。


 さてさて、それでは、


 『有田への旅』 -ヒントその3-


 有田観光史跡の中で、何はともあれ最初に訪れたい聖地、それが
『泉山磁石場』である。
                                           
                  
                                                             山ちゃんズ、山口♂happy01でした。



[N.17]




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