
新型コロナ禍で、遠出もなかなか儘(まま)ならない中、近場で行ける美術館はホント最高です!!。
昨日、標記展示会の初日、九州陶磁文化館へ私も行ってまいりました。ウ~ン、その寄贈された数の多さにまず圧倒されました。
今回の展示は約180点ほどとか、髙取家からの寄贈総数は3428点にも及び、その中の一部とのことのようです。九陶へのコレクションでは、柴田夫妻コレクションが10311点と聞きますので、その約三分の一ともなる多さですね。
唐津にある旧髙取邸が髙取家から唐津市に寄贈されたのが平成8年(1996)ですか、その後一般公開が始まった直後だったでしょうか、私も拝見しに唐津まで出かけました。能舞台をあつらえた広い邸宅で多くの要人をお迎えされたであろうと推測され、今回で三回目のご寄贈とのことでしたが、今回特に気づきましたのは、実際お客さんに使用されたであろう器を多くのセットで拝見出来たことです。鍋島の器をセットであれだけ見たのは初めてでした。全体としては、やはりお客さま接待としての茶道具等を中心とした器が多かったように思います。その展示方法は第一章から第九章までに分けられ、地元佐賀の焼きものから、九州、本州、中国、朝鮮、それから東南アジア、ヨーロッパへと多岐にわたっていて、見ごたえがありました。
個人的な気づきとしましては、長崎の長与三彩は知っていましたが、現川焼として三彩が展示されてたのは初見で興味深く感じました。現川でも焼いてたのでしょうか知りませんでした。それから、幕末の長崎派の絵師の一人、木下逸雲の手になる亀山焼の湯呑みもまた興味深いものでした。いずれにしましても、九州だけでなく、海外の焼きものにも興味を持ち蒐集された、髙取伊好氏とそのご家族の幅広い見識にただただ驚嘆したものでした。九州以外の陶磁器を見ることはそうありませんので、そういう点でも興味をそそるコレクションだと思います。皆さまも是非いかがでしょうか?。
(山)