目的で探す

有田の時間

Viva!! 有田焼 ①

2024年08月31日

有田観光協会 at 15:27  | Comments(0)
 
 
 
 

 




 
 今から54年前の1970年(昭和45年)秋、香蘭社の深川正氏をはじめ、有田の焼物関係者7名は、当時まだ国交がなかった東ドイツへ旅立った。云わゆる、有田の「七人のサムライ」である。
 ドイツのマイセンは知られていたが、日本に馴染みがないドレスデンの美術館に、4千点に近い大量の有田古陶磁が眠っていると聞きつけた深川氏は並々ならぬ情熱を傾け、ついに彼の地への旅を取り付けたのである(『古伊万里の美とロマン』深川正著)。そしてそのサムライたちは、ぼう大な良質の古伊万里のコレクションをそこで確認した。
 その数年後、これらのコレクションは、「ドレスデン古伊万里名品里帰り展」として、東京、京都、名古屋、佐賀にて一般の人々も目にすることとなり、一大古伊万里ブームを巻き起こした。それ以降有田とドイツとの交流は続き、後年、マイセンとの姉妹都市提携、九州陶磁文化館の開館等へと結実した。有田焼は、単に一地方の焼物ではなく、300年前より世界と繋がっていたことがあらためてその時証明されたのである。また、日本磁器の影響を受けながら、有田焼創業約100年後に、ドイツのマイセンでヨーロッパ初の磁器の誕生を見ることとなる。
 有田は日本の磁器のふるさとであると同時に、ヨーロッパの磁器のふるさとでもあったわけで、古伊万里の故郷でもあると同時に世界の有田焼の産地でもあった。様々な思いを抱きながら、あらためて九陶のコレクション類を見てみれば、有田焼の懐の深さに驚かされる。

 古いものには古い魅力が、そして新しいものには新しい魅力があるのが有田焼。なかなか、かつてのような古伊万里ブームが起きるのは容易ではあるまいが、それでも新たな魅力に気づいた人たちの大きなウエーヴが再び来ないかナと思ったりする。
 フト、自分が思う魅力ある有田焼について、若干述べてみたくなった。
まったくの私見であり甚だ恐縮ではありますが、マイブログでもあり、それをご容赦願いながら・・・。
 ということで、次回より不定期になるかと思いますが、江戸期を中心とした時代毎の魅力の有田焼について少しずつ・・。




                                                               (山)

 

わが町のお宝を知る、"小学生夏休み恒例企画"、『有田の歴史の川ざらい』へ参加!!。

2024年08月02日

有田観光協会 at 15:47  | Comments(0)


 
 1610年代から始まった有田焼。既に400年を超え、8年前に有田焼創業400年をお祝いしたのはご周知のとおりです。400年以上もの間焼き続けられて来た有田焼は、そのまま、町内のあちこちでその焼き損じや割れたりした陶片類を見る事が出来ますが、特に川の中では物理的な刺激から守られて、そのまま当時のままで残っていることがあります。現在残されたこれらの陶片類は貴重な文化財として法律で保護されていて、勝手に探し出したり、持ち出したりは出来ません。厳しい管理下に置かれています。
 
 
 そこで、有田町主催のこの企画は、町内の小学生を対象に、もちろん勝手に持ち出しは出来ませんが、川の中の陶片類を自由に探し出してもらおうとの、夏休み限定の恒例の催しなのです。’れきみん応援団’という組織に入っていて、ボランティアでお手伝いをしている私たち団員も、小学生が自由に探すのを支えます。長い歴史をかいくぐってきた古い焼きものたちとの出会いをワクワクしている小学生が目に見えるようです。
 が、実は大人の私たちも実はワクワクなんです。どんな貴重なものを子供たちが探してくるか・・、また、学芸員の先生が、それらを、江戸初期、中期、後期などに見事に即座に選り分けられるのを間近に見るだけでも楽しいし面白い!!、というわけです。

 
 本年は昨日8月1日に実施され、私も参加させて頂きました。コロナで一時中止の時期もありましたが、何と云いましても、目下の闘いは炎天下の暑さとの闘いです。短い時間帯に充分な水分を補給しながら行う必要がありました。
 身近な自然の中に、奥深い歴史を学ぶ環境がこの町にはある。他の地域にはなかなかない素晴らしい町だナと、今年も改めてまた思いました。
 集まりました陶片は時代毎に整理され、例年、取得者の名前と共に歴史民俗資料館に展示されています。




 
 
  [子どもを見守るお母さんたち?]





  (山)