六月の花
六月の花と云えば、梅雨の時期に咲くブルーの花々のイメージが私の中にはあります。
アジサイ、カキツバタ等代表的な感じがあり、云わゆるブルーから紫色の花々の、
それが不思議と雨の季節に馴染んでいて、そういった色を咲かす季節でもあり、その季節に
だけ咲く花々なんだと躊躇なく思っておりました。

ところが先日の新聞記事に、随筆家の増田れい子さんの言葉が紹介されていました。
どれも湿潤な季節に咲くものには違いないのですが、色ではなくその咲く様子に注目されていたもので、
この時期の花は思いをこめながらも、しかし決して声高にではなくて、むしろ抑え気味に花となるように思える
との主旨でした。アジサイ、クチナシ、柿の花、そしてドクダミ等です。
なるほど、色だけではなくその咲きぶりもあったのかと、その視点の先の鋭意さを思い、あらためて
感心したものでした。

(山)