『歴史の川さらい』 恐るべし!!。
先月のことになりますが、歴史民俗資料館と町の主催で小学生を対象に、有田の川の 『歴史の川さらい』が実施されました。
"ベンジャラ(陶片)を探そう”と毎年行われ、今年も「れきみん応援団」のメンバーとして参加しました。
観光協会の2Fで、町文化財課の村上課長さんの陶片を拾うにあたっての注意事項等を事前によく聞いて、いよいよ現地の白川川辺へ向かいます。そして、江戸期の出来るだけ古い有田焼を見つけます。と、そこまでは例年と同じで、見つけられた陶片は課長さんのコメントと共に区分けられます。皆さん、たんたんと川辺を探しまわっていたそのとき、『大発見!!』との声が突然聞こえて来ました。
何だ何だと声が聞えてきた方向へ集まってみると、どうやら色がついた陶片のようです。
云わゆる古いものは初期伊万里に属し上絵技法が始まる前ですので、ほとんどが染付の陶片ですが、見てみますと、確か青磁と瑠璃釉と錆釉(褐色釉?)の3色のようで、三つ足付、中皿陶片とのことでした。記憶は定かではありませんが、確か茄子の絵が描かれてたような。色絵は上絵で色が剥げますが、釉下の模様ですのでキチンと色が残っているようでした。色絵が始まる前(1640年代以前)の本当に貴重なもののようです。いったいどこで作られたものでしょうと村上氏にお尋ねしたら、山小屋窯ですとの即答。いやァ、びっくりしました。上有田駅近くの山小屋窯跡の遺跡はそこの表示柱にも記載があるように、現在では壊れていて、窯の場所、形状等も詳細には確認出来てなかったはず。氏のお話では、川の中だったからこそ見つかったもので、ほとんど遺跡を発掘しても出てくるようなものではないとのこと。完品なら1000万円。
本当に、『歴史の川さらい』恐るべし!!。
資料館の今年の秋の企画展の中で、公開される予定とのことです。
[※なお、陶片の無断発掘・採取は、文化財保護法で厳禁されています。]



(山)