『三右衛門 』トークショー in 九州陶磁文化館
2022年11月24日
有田観光協会 at 16:24
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先般、九州陶磁文化館で開催された「伝統工芸のチカラ」展にちなんで開催された、佐賀県を代表する三右衛門さん(十四代中里太郎右衛門さん、十四代今泉今右衛門さん、十五代酒井田柿右衛門さん)のトークショーは、なかなか普段は知ることがない、唐津焼と有田焼を代表する三右衛門さんのお話が同時に聞けてとても楽しいものでした。司会をなさった当館学芸課長の藤原さんも、幅広い話題を上手く引き出しておられ、くつろいだ雰囲気で話が進んで行きました。
それぞれの三右衛門さんの先代や先々代のお話から始まり、楽しいひとときを過ごさせて頂きました。特に印象深かったのは、先々代位のときには、互いに三右衛門さんの作品を批判してたりもしていたと十四代今右衛門さんからお聞きしたときなどは、確かにその時代にはさもありなんと忌憚なき交わりなども想像出来て、当時の大らかな時代を想像できました。以前読んでた十三代柿右衛門さんの本、『赤絵有情』か何かにも、かなり自由を謳歌されてる十三代のご様子も感じられたようにも思いましたし、その頃の時代感に思いを馳せたりもしました。きっと気さくな交わりがあったんではないか等と想像しました。
太郎右衛門さんのお話では、現、二右衛門さんを唐津の陶房にお招きされ食事を共にされた旨お聞きし、現在でも年長の太郎右衛門さんを中心に交流をされてる様子も分かり、意見交換なさっているのが頼もしくも感じられたものでした。また、先代の太郎右衛門さんも 『古唐津美術館』 の建立を望んでおられましたが、当代太郎右衛門も蒐集された古唐津を市へ寄贈なさっているとのこと。同じお気持ちの様子が感じられました。そういえば、20数年前、佐賀新聞に古唐津美術館開設を旧唐津銀行の建物にとの投稿をしたことがありましたが、未だ美術館建設そのものの実現とはなってないようで道のりは遠いようです。肥前のやきものを愛するものとしても個人的にも実現して欲しいものだと思いました。
最後にそれぞれの三右衛門さんが向かわれる方向もお聞きし、ますます佐賀県を代表するやきものがどう発展していくのか楽しみだと思った次第です。今後ともこのようなトークショーが定期的に開催されたら素晴らしいと感じました。
[先代、先々代の三右衛門さんの作品類]
(山)